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柊が大きいバッグから蜂蜜が入ってるようなボトルを取り出した。
意味がわからず、呆然と眺める。
「ひっ……!」
蜂蜜のようなトロリとした透明な冷たい液体をお尻に垂らされる。柊の指にもたっぷりと付け、ベッドサイドにボトルを置いた。
「今度は柚希の処女貰うよ」
えっ、何?
俺、男なのに…
処女って、何……?
男同士セックスなんて出来る訳ない。
男女の性交は知ってるけど、男同士なんて聞いた事ないし、知らない。
意味がわからなくて呆けていると、柊は後孔にツプリと指を一本入れてきた。
「なっ…!そんな所、何すんだよ…!」
「柚希初めてだからわかんないのか。男とセックスする時は、潤滑剤使ってここに挿れんだよ」
「ちがっ…そんな所、挿れる場所じゃない…いやだ、やめて!」
「最初は痛いかもしんないけど、だんだん悦くなるから。柚希可愛いから、優しくしてあげる」
「やめて、お願い…何でも言う事聞く……口でするから…口にいっぱい出していいから……そんな所…挿れないで…お願い…!」
必死に懇願してる間にも、一本、また一本と指は増やされ、丹念に解されていく。
涙がさらに溢れ、啜り泣きながら震える声で訴えた。
「マジで可愛いな。煽ってるって自覚ないの?」
涙で喉が詰まり、言葉が出て来なくなって、止めてもらいたくてゆるゆると首を横に振る。
欲を出した筈の柊の熱は、いつの間にか勃ち上がり、そこへローションを垂らし馴染ませていた。
「力抜いて」
「やっ、やだ…やめて…いやだ…」
切っ先が後孔に宛がわれる。
「やぁぁぁぁーーー」
そそり勃つ凶暴な熱でゆっくりと、未開発の身体を暴かれる。
先程の指とは比べ物にならないくらいの質量に、ブチブチと裂ける痛みと異物感、そして嫌悪感に呼吸が苦しくなる。
「はぁっ…キツいな。柚希痛い?まだ先っぽしか挿入ってないから、ゆっくり挿れてくよ」
「……ンっ……んぐ…」
髪を撫で、身体を密着させ、深くキスをしてきた。
舌を弄られ生じた快楽に、少しずつ強張った身体の力が抜けてくる。
その間にも柊はゆっくりと腰を突き進め、長大なそれを埋め込んでいく。
暫くの間柊は動かないで、俺を優しく抱きしめていた。
「馴染んだかな…動かすよ」
死刑宣告のようなその言葉に、力なくイヤイヤするが、虚しくもそんな願いは叶わない。
「い゛ぎっ、やぁぁ……いたい!やめてぇ!」
「痛くなければいい?痛くない合意のセックスと痛いレイプどっちにする?」
止めてくれるという選択肢はない。
しかも、痛くない方は勝手に合意とみなされる。
こんなの、無理矢理のレイプじゃないか。
理不尽すぎる。
それでも、非力な俺は辛くない方を選択するしか出来ない。
「いたく…ない…の…」
「口、開けて」
言われるがまま口を開ける。
ショッキングピンクのハートの形をした、小さな錠剤を口に入れられる。
「それ、痛み止めみたいなもんだから。飲み込んで」
痛みから逃れたくて、唾液で錠剤を飲み込んだ。
「依存性はないけど即効性はあるから、すぐ楽になるよ」
不適な笑みを浮かべながら、柊はゆっくりと髪を梳くように何度も撫でてきた。
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