11 / 134

9※

柊が大きいバッグから蜂蜜が入ってるようなボトルを取り出した。 意味がわからず、呆然と眺める。 「ひっ……!」 蜂蜜のようなトロリとした透明な冷たい液体をお尻に垂らされる。柊の指にもたっぷりと付け、ベッドサイドにボトルを置いた。 「今度は柚希の処女貰うよ」 えっ、何? 俺、男なのに… 処女って、何……? 男同士セックスなんて出来る訳ない。 男女の性交は知ってるけど、男同士なんて聞いた事ないし、知らない。 意味がわからなくて呆けていると、柊は後孔にツプリと指を一本入れてきた。 「なっ…!そんな所、何すんだよ…!」 「柚希初めてだからわかんないのか。男とセックスする時は、潤滑剤使ってここに挿れんだよ」 「ちがっ…そんな所、挿れる場所じゃない…いやだ、やめて!」 「最初は痛いかもしんないけど、だんだん悦くなるから。柚希可愛いから、優しくしてあげる」 「やめて、お願い…何でも言う事聞く……口でするから…口にいっぱい出していいから……そんな所…挿れないで…お願い…!」 必死に懇願してる間にも、一本、また一本と指は増やされ、丹念に解されていく。 涙がさらに溢れ、啜り泣きながら震える声で訴えた。 「マジで可愛いな。煽ってるって自覚ないの?」 涙で喉が詰まり、言葉が出て来なくなって、止めてもらいたくてゆるゆると首を横に振る。 欲を出した筈の柊の熱は、いつの間にか勃ち上がり、そこへローションを垂らし馴染ませていた。 「力抜いて」 「やっ、やだ…やめて…いやだ…」 切っ先が後孔に宛がわれる。 「やぁぁぁぁーーー」 そそり勃つ凶暴な熱でゆっくりと、未開発の身体を暴かれる。 先程の指とは比べ物にならないくらいの質量に、ブチブチと裂ける痛みと異物感、そして嫌悪感に呼吸が苦しくなる。 「はぁっ…キツいな。柚希痛い?まだ先っぽしか挿入ってないから、ゆっくり挿れてくよ」 「……ンっ……んぐ…」 髪を撫で、身体を密着させ、深くキスをしてきた。 舌を弄られ生じた快楽に、少しずつ強張った身体の力が抜けてくる。 その間にも柊はゆっくりと腰を突き進め、長大なそれを埋め込んでいく。 暫くの間柊は動かないで、俺を優しく抱きしめていた。 「馴染んだかな…動かすよ」 死刑宣告のようなその言葉に、力なくイヤイヤするが、虚しくもそんな願いは叶わない。 「い゛ぎっ、やぁぁ……いたい!やめてぇ!」 「痛くなければいい?痛くない合意のセックスと痛いレイプどっちにする?」 止めてくれるという選択肢はない。 しかも、痛くない方は勝手に合意とみなされる。 こんなの、無理矢理のレイプじゃないか。 理不尽すぎる。 それでも、非力な俺は辛くない方を選択するしか出来ない。 「いたく…ない…の…」 「口、開けて」 言われるがまま口を開ける。 ショッキングピンクのハートの形をした、小さな錠剤を口に入れられる。 「それ、痛み止めみたいなもんだから。飲み込んで」 痛みから逃れたくて、唾液で錠剤を飲み込んだ。 「依存性はないけど即効性はあるから、すぐ楽になるよ」 不適な笑みを浮かべながら、柊はゆっくりと髪を梳くように何度も撫でてきた。

ともだちにシェアしよう!