20 / 134

18※

奥の悦いところにガンガン突かれる。 目の前がチカチカして、頭が真っ白になる。 それでも欲張りな身体は、さらに快楽を求め、腰を振って悦がり狂う。 ーー嫌なのに……なんで、勝手に…身体が勝手に動くんだよ……! 『お前、すげぇ淫乱だな。初めてなのに才能あるよ』 ーー違う……淫乱なんかじゃない…元々淡白だし、オナニーだって毎日しなくても平気だ…… 『もう、お前のここ、俺の形になってる…ヤバいくらい、相性良い』 ーー勝手にあんたが、無理矢理暴いてるだけだ……相性なんか、良いわけない! 『こんな気持ちになったのは、お前が初めて…好きだ、柚希。俺のオンナになれ』 ーーやめろ…あんたの、ただの勘違いだ……やめてくれ…… 「…………ず…き……柚希、起きて」 「はぁ、はぁ………はる…と…」 「また、魘されてたよ。汗もすごくかいている」 流れ落ちるじっとりとした冷や汗を、タオルで丁寧に拭ってくれた。 汗で服がぐっしょりとしていた。 「濡れたままじゃ、寝付けないし、風邪ひくよ。着替えた方がいい」 陽人の言う事も最もだと思い、着替えを取ろうと起き上がる。 「うそ……」 その時、自分が勃起している事に、初めて気が付いた。 あんな嫌な事をされた、忌まわしい夢なのに、身体は素直に快楽に反応してしまう。 柊に言われた『淫乱』だという言葉が、何回も頭の中で繰り返された。 浅ましい自分の身体が、心底穢らわしくて、 気持ちが悪くて、 勝手に涙が溢れてきた。 陽人の前だというのに、勃起したまま涙を止める事が出来ない。 「はる…と……!」 陽人は下着ごとハーフパンツをずり下げ、勃起するそれを右手で弄り始めた。 「や、め……俺の、汚い…から…」 「綺麗だよ…」 俺は『違う……』、と首を横に振った。 「柚希の身体は汚くない。とっても綺麗だよ」 陽人の手の中でさらに硬さを増して、先っぽはぬらぬらと濡れている。 「ちが…う………俺は汚い……」 「柚希……」 「淫乱…だから……」 「そんな事ない…」 「淫乱で…変態なん、だ……」 「柚希……じゃあ…俺も変態だよ…柚希の触りながら、勃起してる……」 「はると……」 陽人の股間は大きく膨らみ、ズボンの中で窮屈そうに盛り上がっていた。 俺も陽人も性的な話はあまりした事がない。 お互い興味はあるけど、淡白だと思っていた。 それに、爽やかで王子様みたいな陽人が、勃起したりオナニーしてる姿なんて想像出来なかった。 そんな陽人が顔をうっすらと上気させ、欲を孕んだ目で俺を見ている。 陽人がこんな顔するなんて、思ってみてもいなかった。 欲情した顔を見ているだけで、身体中ゾクゾクとした。 「俺だって厭らしい事考えたりするし、刺激があればすぐ勃起する。誰にも隠してたけど、本当は性欲かなり強いから……オナニー、沢山してるよ…」 「あっ、あぁ……はると……」 陽人の手が上下する度に、部屋の中に水音が淫靡に響く。 今まで知らなかった陽人の吐露に、安心すると同時に興奮した。 「だから、気持ちイイ事やエッチな事に身体が反応するのは、自然な事なんだよ……汚くて、恥ずかしい事なんかじゃない……」 先っぽから汁が溢れ出し、更に厭らしい音が響き渡る。 陽人の優しい言葉が、心に染みていく。 「…どんな柚希も好きだよ……例えどんな事があっても、嫌いになんかならない……だから、柚希自身、自分を嫌いにならないで……」 「はる……はると……あっ、アァ……」 陽人はいつも俺を助けてくれる。 いつも、欲しい言葉をくれる。 カッコ悪い所も、情けない所も、いつも隠さず俺に見せてくれる。 俺は素直じゃないし、甘えるのが苦手だ。 だから、人に心の内を晒す事はしなかったし、出来ない質だ。 それでも、全部じゃないけど、陽人には話す事が出来た。 俺にどんな噂が立とうと、クラスの連中から疎まれようと、 陽人だけは味方だった。 いつだって、俺の側にいてくれた。 「イッ…ちゃう…から……手、汚れるから……はな…して……」 「柚希は綺麗だよ…柚希のもの全部綺麗だ……だから…俺の手の中に出して……」 陽人の端正な顔が近付き、唇が触れ合った。 身体が溶けてしまいそうな、 甘くて優しいキスだった。 その瞬間、陽人の手の中で俺は爆ぜた。

ともだちにシェアしよう!