21 / 134

19※

「柚希……何かあった?隠さないで。どんな話でも、嫌いにならないから」 「陽人……」 真っ直ぐな瞳で、優しく俺を見つめてる。 さっき秘密を打ち明けてくれた陽人。 泣きながら、勃起したり…… 寝ている間、もしかしたら、悪夢で喘いでいたかもしれない………… どんな醜態をさらしても、優しく受け止めてくれた。 長い間、沈黙が流れた。 結構、長い時間だ。 もう、夜中もだいぶ過ぎていた。 やっぱり、クマが酷い。 すごく疲れてそう…… 大怪我して、顔色も悪くて…… 俺なんかより、ずっと辛そうなのに……… 心配かけないようにと、 薄く笑ってるのがわかった。 それでも、陽人は急かすことなく、ただ黙って俺が話すのを待っていてくれた。 隠す事なんて出来なかった。 「レイプ…されたんだ。男に……テストが終わった日、家に訪ねて来た男に…無理矢理……」 話ながら、また涙が零れてきた。 陽人は俺の目を見ながら、ただ黙って頷いてくれた。 「嫌だったのに……俺、すごい感じてて…身体が勝手に反応してて……だから…自分で自分が気持ち悪くて……汚くて、仕方がなくて……」 陽人の温かい手が、俺の手の上に重なった。 その時、体が震えていた事に初めて気が付いた。 「俺が淫乱だから…そういう奴…引き寄せちゃうのかなって……小さい頃から……男に痴漢されたり…連れ拐われそうになったり……」 今まで誰にも言えないでいた秘密を、陽人に打ち明けた。 「柚希は何も悪くない…悪いのは柚希に卑劣な事をした奴らだよ……」 「…本当に……そう…なのかな……俺が…淫乱で変態だか……」 言葉の途中で唇を塞がれた。 「だから……柚希は悪くないんだから、自分を責めないで」 「だって…普通は、そんな目に遭わな……」 また、キスで言葉を止められる。 「柚希は身体も心もリハビリしないといけないよ。性的な被害者は、自分を責めてしまうんだ。悪いのは加害者なのに」 「リハ…ビリ…………?」 リハビリがどんなものかわからなくて、聞き返した。 それで、俺の心も身体も治るのだろうか。 「これが、“リハビリ”だよ……」 そう言うと、陽人はまた口付けた。 「柚希は嫌かな?嫌なら無理しないで。俺は柚希とこうするの、少しも嫌じゃない……」 今まで痴漢されたり、柊に触られるのは嫌で仕方がなかった。 でも、何故だろう…… 陽人に触れられるのは、 キスされるのは、 陽人と同じように、ひとつも嫌な感じがしない。 むしろ、触れられる度にあたたかい気持ちが溢れ、 心が包まれるように満たされる。 「嫌じゃ…ない……陽人のは、嫌じゃない……」 陽人が片手で抱きしめ、キスをしてきた。 今度は、触れるだけのキスじゃなくて、深い大人のキスだった。 陽人の舌が絡む度に、俺の舌先から、身体と心が甘く痺れる。 清廉潔白な陽人が、欲にまみれ、息を荒げながら、俺の咥内を貪り尽くす。 心音が早くなり、身体の奥がキューっとなってくる。 浅ましい俺の身体は反応して、緩く勃ち上がっていた。 ーーこんな身体の俺を、陽人は嫌いになるかもしれない…… そう思っている時、陽人が反り返る程硬くなった熱を押し付けてきた。 「俺の方が硬くなってる……」 余裕のない顔で、陽人は薄く笑う。 自分だけが浅ましいと思ってたのに、俺よりも硬くなってる陽人に、なんだか安心した。 そんなガチガチの芯が俺のモノに当たり、欲情して俺のモノも硬くなる。 「リハビリ…始めようか?」 俺が目を見つめコクリと頷くと、陽人はまたキスを落としてきた。

ともだちにシェアしよう!