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「あっ……」
久々にする自慰は、すごく気持ち良くて……
柊の激しい呼吸に、更に身体は昂っていく。
『はっ、はっ……柚希の中、早く挿れたい……』
「あぁ……やっ……」
“挿れたい”という言葉に奥が切なくなり、陰茎の刺激では足りなくなる。
「あっ、ンッ……しゅう……指、挿れたい……」
『ダメだよ……身体治るまでは、我慢して……』
「…………シたい……」
『治ったら、一日中抱いてやるから……』
「しゅう……しゅう……」
縋るように柊の名前を呼ぶ。
『柚希のと俺の、兜合わせしてると思って……』
「アァッ……しゅうと…俺の…チンコ……擦れてる……んん……」
『柚希の可愛いピンクのチンコ、俺のガチガチのチンコでぐりぐり扱いてるよ……』
「あっ、ンンッ、はっ、はっ……」
『柚希と俺のチンコから……厭らしい汁がいっぱい出て……すげー、ヌルヌルになってる……』
「はぁっ、アッ……エッチな汁、いっぱい……」
『ゆずき……はぁ、はっ……好きだよ……』
「アン……しゅう……きもちいっ……アッ、イキそう……」
『俺も出る……柚希の中、溢れるくらい精子ミルク出したい……』
「あぁ……!」
ドクン……
身体の奥で柊が吐精した時の感覚が蘇り、中が熱く痺れる。
それだけで甘イキし、同時に自身から白濁が飛び出した。
肩で息をしながら、天井を眺める。
息が落ち着いてきてから、精液で汚れた手をティッシュで拭った。
ーーなにやってんだよ……俺……
射精後の冷静になった頭で考える。
何もないーーー
愛する人も、
友達も、
家族もいない場所で……
縋れるのは、柊だけだった。
逆らわなければ、従いさえすれば、何もされない。
そして、甘い蜜のような優しさを、柊は無限に与えてくれた。
『柚希、愛してる。俺だけ、見てて……』
息が詰まるくらいの束縛と監視、繰り返される愛の言葉。
「うん…愛してる……」
それに答えれば、穏やかな時間が保証される。
『帰りに柚希の好きな、メーロウのプリン買って帰るから。プリンなら食えるだろ?』
「うん……」
『良かった……今から高速へ入るから。暫く運転に集中するわ』
イヤホンからは、車でかけてるEDMが微かに聞こえる。
小さな音と心地いいリズムが、眠気を誘(いざな)う。
ウトウトとしながら、瞼を閉じた。
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