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第3話 彼からの告白

 ――――よくないな。  ロイの検査結果を見て、自然と表情が険しくなっていくのを感じた。  確かにロイと俺の病気の進行具合は同程度だ。  けれどロイは生まれつき心臓が弱い。  大きな発作を起こせば、先に心臓のほうが参ってしまうかもしれない。  俺はきつく目を閉じた。  どんな検査にも決して弱音を吐かず、笑ってみせていたロイ。  その儚げな見た目とは違い、ロイは強い少年で。  何故かすごく惹きつけられる。  あくまでもそれは同情にすぎないのかもしれないけど、俺は自分の全てを懸けて君を救ってあげたいと思う。  少しでも君が笑っていられる時間が長くなるように……。  午前中の仕事が片付き、わずかに時間が空いた俺はロイの病室へ行くことにした。  701号室の部屋をノックしようとして扉が少し開いていることに気づく  中からかすかに声が漏れ聞こえてくる。 「……格造さん。ね、北見先生ってかっこいいよね」  立ち聞きする気はなかったのだが、自分の名前が出てきたので、つい耳を澄ませて聞いてしまう。 「そうですね」  相槌を打つ付き添いの格造の声。 「きっと女に人にもうんともてるんだろーね……彼女とかもいるのかな」 「まあ、もてるでしょうし、彼女の一人や二人はいるでしょうね。あれだけの美形ですし、スタイルもいいし。おまけに医師としても優秀ときていますからね。患者さんとか看護師の女性にたくさん言い寄られていますよ。きっと」 「そう、だろうね……」  ロイの声が何故か急にトーンダウンする。 「ロイくん? どうかされましたか?」 「うん……」  なにかを迷うような声音が、細く開いた扉の前に立つ俺の耳に届いた。 「格造さんは僕のお兄ちゃんみたいな人だから、……言っちゃうけど、あのね」 「はい?」 「まだ北見先生には出会ったばかりなんだけどさ……僕」 「はあ」 「僕、北見先生のこと好きになっちゃったみたい……」 「は?」 「だって、北見先生、とっても優しいし。そりゃ僕が患者だから優しくしてくれてるだけなんだろうけど」  まくしたてるように言うロイに、格造が戸惑ったように返す。 「ロイくん、あの、北見先生は男の人ですが」 「それが何? そんなの好きになっちゃったんだから関係ないよ。好きって思いを抱くことくらいは自由でしょ」  思い詰めたような声で言葉を重ねるロイと、 「それはそうかもしれませんが……ですが……」  より一層戸惑う格造。  二人の声を背に俺はそっとその場から離れた。

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