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第4話 彼からの告白2
鼓動が少し早くなっていた。
久しく忘れていた思いが胸に込み上げる。
少し顔が熱く感じるのは気のせいだろうか。
参ったな……。
患者に好意を持たれたことは多々あるし告られたことも正直少なからずある。
だが、同性からのそれはさすがに初めてだった。
俺もロイに惹かれていることは確かだけど、それが恋愛感情なのかと聞かれれば……どう答えればいいのか分からない。
まったくの初めてのことなのだから戸惑いが先に立つ。
でも、これからあの子を診察する度思い出してしまうだろう。
『北見先生を好きになっちゃったみたい』
真っ直ぐな声音で紡がれた告白の言葉を。
俺は少し長めの前髪をかき上げると、一つ溜息を落とした。
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