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8月30日土曜日

「ふぅ」  直弥はその場に座り込んだ。 「ナオヤさん、さっき言った事……」  大介も腰が抜けた様に、しゃがみ込んだ。 「俺の勝手で付き合わせてゴメン。あぁ、全部本心。ダイスケ君……俺も、好きだ」 「アーーー!! マジ死んでも良い!!」  大介はあらん限りの力で直弥を抱き締めた。体温に包まれた途端、直弥は緊張の糸が切れた様に泣き出した。  今まで堪えていた物が溢れだして、涙が止まらない。  ずっと好きだった。  誕生日に少なからず傷付けた。遙平の後ろ姿が眼に焼き付いて離れない。 「遙平……遙平……」 「泣けよ、思いっきり泣けよ。俺が居るから。ずっと側にいるから。俺はずっと、アンタだけ守るから」  直弥は胸を許してくれる大介に、しがみついたまま泣き通した。  *    *   *  何時眠ったのか、どうやって眠ったのか解らない。   「よくがんばったな……」  ただ、うっすら眼が醒めた時、大介が囁きポンポンと背中を優しく叩いてくれているのを感じて、また目を閉じた。  久しぶりに深い眠りに就いた。

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