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12月24日クリスマス
先程までの忘年会の出来事を思い出してしまい、上の空で大介に着いて歩いていた直弥の顔に、衝撃があった。
急に立ち止まった大介に気付かずぶつかり、大介の背中に顔を埋めていた。
「なあ、ナオヤさん、どうかしたのか?」
「ごめん。店予約してるから、俺が連れてかないといけないのに」
知らぬ間に、繁華街から離れ、人通りもない閑散とした路地を歩いている。
「飯は後でいい。ナオヤさん食べたばっかだろ。俺、昼遅かったからそんな腹減ってないし」
「いや、俺ほとんど食べてない。ダイスケと食べるから」
振り向いた大介を仰ぎ見ながら、返事した。
大介は何も言わなかった。
暫く見つめ合い、直弥の間が持たず、二の句を告げようとした瞬間
路地の更に人が通らない、ビルの隙間に引っ張りこまれた。
「俺と食べるから、ナオヤさん食べなかったのか?」
「あ、あぁ」
暗いビルの狭間、大介に覆われさらに視界が暗くなる。
「ありがとう。超嬉しい」
大介の直弥を見据える瞳だけが暗闇の中、光っている。
「酒は、飲んでないだろうな。飲むのやめたって言ってるもんな」
「当たり前だ。飲んで……」
言葉途中で唇を塞がれた。大介の大きな口で。
(な、何をこんな所で! 人通り無いとはいえ、外だ!)
驚いて直弥は大介の胸を手で押し返したが、びくともしない。
寒さと暗闇の中、優しく口付けられ、次第に手の力が抜ける。
長い時間のキスの後、手首を掴まれ我に返った。
「ほんとだな。酒の味しなかった」
大介は舌を出して自分の唇をなめている。
「な、何を、こんな所で……」
「アルコールチェック」
「おまぇ、」
「いや、正直言うと……せっかく会えたのに、俺と居るのにアンタ心ここに非ずだったから、ショックだった。ちょっと傷ついた」
「ダイスケ……」
「会ってからずっと、触りたくてキスしたくて……顔見たら我慢できなかった」
手首の脈の速さが知られるのが恥ずかしくて、手を振り払おうとしたけれど、掴まれた手は逃れられない。
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