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2月15日日曜日
「大ちゃん、14日……」
「あー、14日な。実はあの人と約束してたんだ。けど、勿論こんな隠れて最初っから合宿の裏で計画たてて呼んだとかじゃないんだ。それだけは信じてくれな。俺、そんな器用なこと出来ねーし、頭回らねーし。
昨日、俺が“会いたい”って、メールに本音漏らしたせいで……わざわざ夜に来てくれたんだ。ここまで、会いに」
「うそ……」
(ここまで? 大人のくせに、高校生の一言で会いに? バカみたい!)
信じられない事実を聞き、バカにする思いが沸々と湧きあがる。けれどそれは負け惜しみの何物でもない感情だと気付き、また項垂れる。
(良い年した大人が、なりふり構わずそこまで行動するなんて)
――同じ夜
疲れと眠気にかこつけて、勇気が出ず逃げた自分。
そんな良い年した大人が、なりふり構わないほど……あの人は大ちゃんの事が好きなのか。
(僕が昨日の夜、起きて大ちゃんに話して繋ぎ止めておけば、何かが変わったんだろうか。いや、あの二人は……でも……)
榮の感情が終わりのない堂々巡りをしている時、大介に笑顔で問われた。
「なあ、そんで話って何だ? 『朝、話す』って言ってたろ。それで俺を探してくれてたんじゃないのか?」
「……ああ、話」
「なんだよ?」
「やっぱり、礼のお返し。荷物、持って。これから遠征と合宿、全部。それくらい大事なお守りなんだろ?」
「なんだあー! 結局荷物持ちかよ! あぁまかせろ! ずっともってやるよ! それくらい感謝してる!」
嫌な事に決まってるのに、嬉しそうに快諾する大介の姿。
(浮かれちゃって……)
「大ちゃん、早くごはん」
「あ! 飯! ヤバい! 食ってくる!!」
「バカだな……」
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