126 / 255
2月19日木曜日
直弥はおぼろげに思いながら、リビングに入った瞬間倒れこんだ。
身体はゾクゾクとして寒気がするのに、冷たい床が心地よい。
フローリングに額と身を預ける。
(大介にバレたら、心配させてしまうんだろうな……)
悲痛な顔を想像する。
大介は底なしに優しい。
優しさは嬉しいけれど、過度な心配を受けるのも申し訳ない気持ちで一杯になる
(優しさに、慣れてないせいもあるんだろう)
直弥は熱に浮かされながら、少し笑った。
今まで優しくされたことなんて、ほとんどなかった恋愛経験だった。
「大介に連絡しなきゃ……」
寝転がったまま、ポケットをまさぐる。
今日も残業だとか理由をかこつけて来ないでいいとメールを送らなけ
「ーーッス!!」
漸く携帯を握った時、玄関が開く音と共に元気な声が聞こえてきた。
「あぁ、遅かった……」
ともだちにシェアしよう!