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4月28日火曜日
「あれ? 俺、兄貴居る事、言ってなかったっけ?」
「いや、そ、それもそうだけど」
(それも初耳で猛烈に気になる、けど!)
聞きたい事が大渋滞だ。直弥が何より驚き引っかかったこと。
「ダイスケ、お前、甘いもの……苦手?!」
「あ、あぁ」
直弥の裏返った声を聞き、大介はハッと気まずそうな表情をした。
「だって、一緒に……」
食べた。食べていた。あの時も、この時も。
直弥が良かれと二人分買ったデザートやお菓子、一緒に食べていた。
嘘誕生日の時も、クリスマス会から忘年会に転じた外食の時も。
そして、今日も。
今日に至っては、大介がわざわざ買ってきてくれた。この穴ボコだらけになってしまった、ケーキを自ら……
「何で、言わなかったんだよ! 今まで! 俺、一緒に食べてくれてたから、甘いもの好きだとばっかり……」
直弥は唇を噛んだ。
ずっと、無理して食べていたんだろうか? 差し出す自分の為に、言い出せず。
「ごめん……」
「なんでナオヤさんが、謝んだよ。違う違う!」
大介は掌をぶんぶんと振る。
「苦手って言っても、別にアレルギーとかじゃないし、ただ今まであんま食ってこなかったから、食えないっていうか。
だから、食えるし! 買って来てくれて一緒に食べられた。嘘じゃない」
大介は長い指で、噛んで赤くなった直弥の唇を撫でる。
「アンタが隣で、一緒に美味しそうに食べてくれるから、全部美味かった」
「ダイスケ……」
「な、これ食べよ」
「あ、そーだ! あれしよう!」
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