41 / 64
湊の過去-5
「蓮川くん!」
「矢嶋!」
蓮川くんとはまた同じクラスになった。
ぼくたち特進組はクラス替えがないらしい。
「隣だね!」
ぼくは嬉しかった。
水嶋くんと一緒に入れて。
そして。
何故か……。
「じゃあクラス委員は矢嶋と蓮川な」
クラス委員にされた。
「矢嶋、諦めなよ」
「蓮川くんーだってさ」
去年の学園祭の実行委員を決める時と同じ。
バイトがーとか、部活がーとか言って押し付けられた。
「みんなさぼくがさ水嶋くんと仲良くなった時羨ましがってたのに……」
「みんな、面倒くさいだけだから」
そう言いながら蓮川くんは苦笑いしていた。
そんな日々が続いていたある日。
やめればよかったのに。
ぼくは水嶋くんに告白してしまった。
今思えば。
水嶋くんにはぼくの気持ちがばれていたんじゃないかと思う。
*********
「水嶋くん。話しあるんだいいかな?」
ぼくは…………。
ただ、水嶋くんに知ってて欲しかっただけなんだ。
ぼくが水嶋を好きってことを。
「なんだ?」
「場所変えて話したい」
「じゃあ屋上行くか?」
ぼくたちは屋上へと向かった。
「で、話しって?」
「う、うん。あのね、驚かないで聞いて欲しいんだけど」
告白ってこんなにドキドキするんだと思いながら水嶋くん気持ちを伝えようとしていた。
「あ、あのねっ。ぼくさ、水嶋くんが好きなんだ!恋愛的な意味で」
水嶋くんは驚いた顔した。
次の瞬間。
嬉しそうな笑顔を浮かべていた。
「俺も好きだよ!」
水嶋くんはそう言ってくれた。
全てはこれが始まりだった。
ともだちにシェアしよう!