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再会

「ん……」 朝か。 懐かしい夢みたな。 蓮川くんからの連絡を無視するなってことかな。 「今日は何にしようかな」 かんたんにトーストと卵焼きにした。 「矢嶋、今日は早く来いよ?」 そういえば、昨日。 課長が言ってたな。 新しい医者が来るって。 「あ、先輩」 いいよね? 先輩に好きな人いても。 声かけても。 「先輩!おはようございます!」 「よしよし!早く来たな」 先輩はたまにこうやってぼくを子供扱いする。 ぼく、20歳すぎてるのに。 きっと顔のせいだろうけど。 「しかし。社長も急だよな!」 昨日。 言い忘れてました的な感じてみんなに早く出てくるように言っていた。 課長経由で。 そして。 「皆さんはじめまして。水嶋航汰です」 『男が男を好きとか気持ち悪いんだよ!』 何で。 どうして? 今ごろ現れるの? 忘れた頃に……。 やばいっ‼ 呼吸が。 「矢嶋っ」 「蓮川く……」 ぼくは蓮川くんに連れられて第二医務室に。 「大丈夫だから。ゆっくり息して」 情けない。 水嶋くんを見ただけでいまだに過呼吸起こすとか。 コンコン。 「はい?」 「辻元だ。入っていいか?」 「どうぞ」 「矢嶋。大丈夫か?」 先輩に話したくても話せない。 「大丈夫ですよ。ちょっと過呼吸起こしただけですから」 「ちょっとじゃないだろ?」 「色々あったんですよ。高校の時に……」 「蓮川と矢嶋って」 「俺たち高校からの友人なんですよ!知りませんでした?」 「えぇ!?年が」 「ぼく、2年間休学してたんです」 「だから。俺と矢嶋は同い年なんですよ」 今はまだ話せない。 「キツイなら医務室でや……」 「いやです!医務室には居たくない」 「大丈夫ですから」 「けどな……」 渋った先輩が出したのは……。 「矢嶋、次はこれな」 営業には先輩が。 ぼくはデスクワークを。 先輩がためこんでいた書類をいつさせようかと思っていたらしい。 「矢嶋は仕事早いよなー!」 「無理すんなよ!」 「最近、千石の奴。矢嶋に絡んでこないよな」 「なぁ、矢嶋ってどっちが本命なわけ?」 本命って。 みんなして何を言ってるんだ? そんな話をしながら時間がすぎた。 「矢嶋終わった?」 「終わりました!」 「矢嶋。帰るか?」 ぼくは途中まで先輩と帰ることに。 「なぁ、千石さんは?」 「最近、忙しいみたいで」 こそこそ誰かと会ってるみたい。 「……千石さんなんかやめて俺にしろよ」 「先輩?」 千石さんやめてってどういう意味? だって先輩は好きな人がいるんでしょ? そんな。 期待させるようなこといわないでほしい。

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