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あの時の真相-4
「航汰!」
「祐樹どうした?」
「明日、試合だろう?頑張れよ」
「もちろん!」
「何、かっこいい姿見せたい相手できた?」
「そんなんじゃねぇよ」
そんなんじゃないけど。
矢嶋 にかっこいいとこを見てほしかった。
そう思って練習を頑張った。
そして。
試合前日、祐樹にメールした。
『練習試合の時、矢嶋見かけたら控え室に連れてきて』
試合当日。
矢嶋来てるかな。
「水嶋ー緊張してんのか?」
「そんなんじゃないですよ」
先輩たちの言うとおりだった。
あいつにかっこ悪いて思われたくなかった。
*************
「あと1点」
試合終了まであと2分。
落ち着け。
俺はふと、矢嶋をみた。
『頑張って』
そう言われているように見えた。
俺は力を振り絞りボールを蹴った。
ギリギリだったけどなんとか勝てた。
試合が終わり祐樹と控え室にやってきた。
湊を先輩たちがそういう目で見ているとは思いもしなかった。
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