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間違えないから-1
湊に千石さんについて話したあと。
俺を見て怯えてはいるものの、何とか話してくれるようにはなった。
「水嶋くん、おはよう」
「おはようって矢嶋、寝癖ついてる。そんなんじゃ辻元さんに笑われるぞ?」
辻元さんの名前を出すと矢嶋は必ず顔を真っ赤にするんだよな。
「矢嶋、また航太とじゃれてると辻元さんに嫉妬されちゃうよ?」
「先輩のはそんなんじゃないよ」
本気か?
本気で言ってるのか?
どうみても。
辻元さんは、矢嶋のこと好きだろう!?
それをどうみたら違うって言うんだよっっ。
『航汰。矢嶋と辻元さんはさ、お互いに両想いって気づいてないから。というかそれくらい鈍いから2人とも』
祐樹にそう言われたな。
矢嶋たちと同じ企画部の人たちはみんな気づいているみたいだけどな。
この会社はいいな。
居心地がいい。
ただ。
千石さんが何もしてこないのが不気味なくらいだった。
そんな時。
あの人からまた連絡がきた。
『話があるから医務室に明日の昼行くから』って。
それだけのメールがきた。
祐樹にそれを伝え、矢嶋と辻元さんにも伝えた。
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