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間違えないから-3
千石さんと話をしたあと。
恐ろしいぐらいに静かだった。
そう。
まるで……。
嵐の前の静けさのように。
だから。
余計にこわかった。
何か起きるんじゃないかって。
矢嶋に何かを仕掛けるんじゃないかって。
そして。
それは起きた。
「同窓会?」
『そ。で、水嶋と矢嶋の居場所がわかんなくて……』
高校の時の友人が俺に2人の居場所わからないからって。
ハガキよこしてきた。
「祐樹ー」
「何?」
「みな…じゃない、矢嶋知らない?」
「矢嶋ならさっきうちに書類届けたあと総務課に寄るって言ってた」
「これ。同窓会の案内」
祐樹にハガキを渡し矢嶋のもとへ。
ただ。
嫌な予感してならなかった。
矢嶋に何か起きるんじゃないかって。
不安で
不安で
仕方なかった。
**********
矢嶋はどこだ?
ん?
あれは千石さん?
こんなところで何を?
なんとなく怪しい気がしたから俺は千石さんをつけた。
特に何もなかったから、総務課へと向かう。
ヴーヴー。
電話?
なんだ??
「はい?」
『水嶋先生、今すぐ総務課前に来てくれる!』
!?
内線は辻元さんからだった。
矢嶋に何かあったんだと思った。
「何かありましたか?」
『湊が総務課前の廊下で誰かに刺された』
確証はない。
でも、千石さんだと俺は思った。
そんなことより。
俺は矢嶋のもとへ。
状態はよくない。
血を流しすぎている。
ダメ元で前いた病院に連絡した。
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