17 / 18

第17話

「俺だってやりたいわけじゃないよ?でも…もう同じことしてほしくないし。月が……カッコイイのばれたし。」 ツン、と唇を尖らせて海はそういうとそっぽを向いた。 カッコイイ…? いつも俺は海に可愛いって言われてた。 カッコイイなんて言われたことなかったのに。 海の方がカッコイイし、敵うわけはないけど追いつきたいって思ってた。 追いつけたってこと? 「俺、海に追いつけた?やっと、釣り合えるような存在になれた…?」 今聞くことではないかもしれない。 でも、ずっと嫌だった。 海の足手まといになってるんじゃないか、って。 「…え?元々、月の方が俺より凄いんだから。追いつかなきゃいけないのは俺だから。」 海はそう言って優しく俺にキスをした。 手に持っていた目隠しを投げ捨てて、まっすぐ俺を見据えた。 そしてまた、優しくキスをした。

ともだちにシェアしよう!