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第7話 痴の優美
「な、なに!!?」
「それ、そのままじゃ、困るんじゃない?」
西園寺が露わになった逸物を悠然と見下ろしてる。あと少しでイキそうだったのに、しおしおとヘタっていくそれは情けない。
「こ、困らない。だ、大丈夫です……」
握った自分のものが掌で項垂れていく。
西園寺は笑みを浮かべながらベッドの端に乗り、無様な自分に近づいた。
「水樹が君に夢中になるの、知りたいんだよね。」
じりじりと蛇のように近づいてくる西園寺から逃れ、壁に背中が当たる。
「……や、やめろっ!!」
身動ぎしながら、西園寺から逃げようとするが、西園寺はやすやすと自分を捕まえ、両手を拘束しシーツに縫い留めた。
「アリスくん、僕達のセックスを聞いてて、興奮しちゃった?」
「やめろっ、はなせッ……!」
にこにこと穏やかな笑みを浮かべつつ、顔を近づけて微笑む。普段温厚で1番まともだと思ってただけに裏切られた気分になる。
なんで、水樹の友達に襲われなければならないんだよ! おまえら友達なら番協定ぐらい結べよ! βは対象外なのかよ!
「βってそんなに気持ちいいのかな?濡れないし、Ωみたいにヒートもない。水樹はどこがいいんだろうね?単なる性欲処理?」
西園寺の言葉にズキッと胸が痛くなる。
『セフレ』という文字が頭に浮かび、性欲処理という連想ができる。濡れもしない、ヒートもない、ただのオナホのような存在。
「そ、そうだとしたらどうなんだよ? 離せよ! 俺に構うな!」
「ふーん、ちょっと試してみたいな。水樹はこれから婚約者と仲良くやるんだし、アリスくん大丈夫?」
は?
婚約者?
婚約者てなんだ?
水樹の婚約者?
脳の思考が停止し、西園寺をまじまじと見つめる。
「婚約者?」
西園寺の寝言だと思いたい。
こいつ、ヒートに当てられておかしくなったのかな?
「あれ? 知らないの? 水樹、婚約者が出来たんだよ? しかも運命の番だって。すごいよね。お金かけて探し出したんじゃないかな」
西園寺は笑顔で話す。
運命の番?
どういう事だ?水樹はそんな事、一言も話してない。
動揺してる自分にいつの間にか西園寺は手を伸ばして、イチモツを触る。気持ち悪い感触がゾワゾワと背筋へ伝わるが、青年期の反応は見事に裏切る。
「……やめっ、ろ!!」
「あ、その反応いいね。Ωにはない反応かも。ヒートもこないからずっと強気でいられて可愛い。」
わ、笑ってる。
だ、ダメだ、頭おかしい。
水樹も何を言っても無駄だったが、西園寺はさらに意味が通じてない。
「……く、来るな! 来るなよっ!」
必死に西園寺から逃げるように、拘束されても足をパタつかせる。嫌だ、やめてくれ!
「僕にもちょっと味見だけさせて貰おうかな」
ワイシャツのボタンを外して、乳首をペロッと西園寺は舐め、軽く吸う。水樹に散々弄ばれた突起は硬さを帯びて、敏感に反応する。
「やめっ、ァッ……」
「うんうん、やっぱり反応がいいね。人間てこんな感じでセックスするんだなて思うよ」
ちゅうっと西園寺は痕をつけるようにきつく吸う。首を振りながら、反応していく自分を追い払う。
嫌だ!
縫い留められた手を必死で解こうとするが、ビクともしない。
やめてくれ。
このまま犯されたくない。
それならっ……
先ほどの乱れきった激しいセックスが思い出される。ぶんぶんと首を振って忘れようとするが、そういう時に限って鮮明に覚えていた。
「……やめッ!!」
「西園寺、やめろ。アリスには手を出すな、アリスは俺のものだ」
シャッとカーテンを引く音がし、水樹が憤怒の表情で無様な格好のアリスと襲い掛かろうとする西園寺を睨めつけた。
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