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第3話

 毎週のように海涙の家でやるようになったのは、いつだったか正確には覚えていない。  海涙は大学2年になって結構すぐの頃、同じサークルに新入生として入ってきた。  絵画鑑賞サークルという何やってるのかわからないサークルで、ほとんど飲みが中心だった。俺は絵見るのも好きだけど。  海涙は新入生の中で一番目立っていた。女にももてる。きれいな顔立ちをしていた。  俺はずっと海涙に見とれていたのだ。 「先輩、俺の顔になんかついてる?」  と聞かれた時、つい正直に答えてしまった。 「いや、きれいだなと」  言ってからしまったと思った。 「何それ」  海涙はそう言って笑った。タメ口なのに不快でもなく、その笑顔がやたらかわいいと思った。  自分がゲイだと気付いたのは高校の頃。友人が彼女が欲しいとうるさかった。男子校で出会いもなくて、相当たまってるみたいだから、言ってみた。 「俺に出してもいいよ」  ドン引きされた。  結局友人とは気まずくなって、高校卒業までほとんど話すこともなく終わった。  自分がおかしいのはわかってた。それを誰かに言ったらどうなるかまでわかっていなかった。  だから、大学に入っても俺の性癖は隠してきた。ゲイだなんて誰にも言えなかった。

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