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第4話
海涙は俺にひいたりしなかった。
最初に名前を聞いたとき、とてもきれいな名前だと思ったんだ。
海涙自身はドキュンだと言うけど、海の涙と書いて『かいな』と読む字面も美しい。
ある時、聞かれた。
「先輩、この後予定ある?」
「ない。けど、先輩って呼ぶのはやめようよ」
たかが一つの違いで先輩なんて呼ばれたくない。
「明徳?」
名前呼び捨てかよと思ったけど。
海涙の部屋に誘われた。俺はドキドキしながらついて行った。
家に入ってすぐキスをされた。
「明徳のここ色っぽい」
のどぼとけを指して言う。手で触られ、そのまま下の方まで触れてくる。
俺のは勃っていた。
「大きくなってるよ」
「海涙?」
「明徳ははじめて?」
そのまま流されて関係を持った。
きれいな顔なのに攻めだというギャップも相まってはまってしまった。
海涙は女とやったこともある。
「明徳の方がしまりがいい」
とか言う。前と後ろじゃ違うだろと思ったけど、海涙は女のアナルも経験済みだ。
週末の度にやってる。海涙は独り暮らしだし、平日もやろうと思えばできるけど、俺は実家だし、毎日外泊ばかりも怪しまれる。
本当は断られたらどうしようと、聞くのが怖いのだけど。
学年は違うし、他の日に海涙が何してるのかよく知らない。サークルにはたまに顔を出すけど、海涙もいたりいなかったりで、そもそも他の奴らの前じゃ親しげに話したりしない。
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