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第7話

 シャワーを浴び、着替え、鞄を持って廉は搬入口へ急いだ。  省吾を待たせることなんかできない、と走った。  だがしかし。 「早かったな」 「あ……。待たせてすみません!」  10分前なのに、すでに省吾は約束の場所へ来ていた。 (シャワーで時間とったからな。でも、汗臭いと失礼だし……)  しおれてしまった廉に、省吾は微笑みかけた。 「私が早すぎたんだ。悪かったな」 「いえ! そんなことありません!」  じゃあ、行こうか。  省吾は廉と肩を並べて歩き始めた。  こうして見ると、彼はずいぶん背が高い。 (僕より頭一個分は高いよね) 「甲斐さん、学生の頃なにか部活されてましたか?」 「バスケ、やってた。どうしてだ?」 「いや、背が高いなぁ、って思って」 「三好は、何かやってたか」 「吹奏楽部です」 「楽器は?」 「サックスです」  それはいいな、と省吾は嬉しそうな声だ。 「私はジャズが好きなんだ」  確かにサックスは、ジャズの花形だ。 (僕、そんなに巧くなかったけど……)  しかし、この会話で行先が決まった。  廉は軽く食事を摂った後、省吾の行きつけのジャズバーへ共に入った。

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