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第14話

 風呂上がりの省吾に、廉は訊ねてみた。 「どうして、僕にこんなに親切にしてくれるんですか?」  いきなり核心を突いた質問に苦笑いした後、省吾は答えた。 「そういうところが可愛いから、かな。素直だ、三好は」  可愛い、と言われて廉は赤くなった。 (甲斐さんは、年上で、上司で。だから、可愛いって言っただけなんだ。有頂天になっちゃ、ダメだ) 「あとは、何にでも一生懸命で、時々自虐に走るところ」  廉はそこで、省吾に鼻をつままれた。 「もう、自分を責めるのはよせ。僕はクビだ、なんて言うなよ」 「はい」  真っ直ぐな目をして、廉は省吾を見た。  甲斐さんは、本当に部下思いの素晴らしい上司なんだ。  そんな人の期待に応えられるよう、いつまでも下を向いてちゃいけない。 「いい目だ。月曜日から、頑張れるな」 「はい!」 「じゃあ、寝るか。寝室はこっちだ」 「はい?」  いざなわれるままついて行くと、そこにはキングサイズのベッドが。 「ま、まさか。甲斐さん、コレに一緒に……」 「広いから、二人でも楽勝だぞ」  どッ、どどどどうしよう! (確かに甲斐さんのことは好きだけど! でも、心の準備が!)  焦る廉をよそに、省吾はベッドに上がった。

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