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第15話

 大きな大きなベッドの隅に、廉は手足を折り曲げて小さくなっていた。 「三好、もう少し伸び伸び寝たらどうだ?」 「え、あ、いえ。僕、寝相が悪いので」  さては、と省吾は廉の方へと寄って来た。  そして耳元で、そっと囁いた。 「さては、初めて、とか?」  かぁッ、と耳が熱くなるのが自分でもわかる。  廉は目を固く瞑って、必死で言い訳をした。 「は、初めてじゃないです。でも、誰かと寝る、なんて久しぶりで!」 「ホントにお前は素直だな」  喉奥で短く笑いながら、省吾は廉の身体に手を掛け、こちらを向かせた。 「か、顔、近いです!」 「イヤか? 三好」 「イヤじゃないです、けど……」  あとの言葉は、省吾が食べてしまった。  唇を塞がれ、廉は身をすくめた。 「んッ、んん。ぅん、ふぅ、うぅ……」  省吾のキスは、ひどく巧かった。  リップを柔らかく食み、舌を合わせて滑らかに擦る。  廉の咥内へ侵入し、優しく歯列をなぞり上顎を刷く。  それはもう夢見心地になるような、素敵なキスだった。

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