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兄貴の悦び15

「ブラコンって言われるぞ」 「ブラコンじゃなくて、僕はゾッコンだよ兄貴!」  箱崎にされたキスの消毒をしてもらおうと、瞳を閉じて顔を寄せたら、兄貴の大きな手が僕の顔面をキャッチする。 (なぜ止める? バレーのアタックをされなかっただけ、まだマシなのかなぁ) 「ちょっとは人目を気にしろよ。俺だって我慢してるんだし」 「全然我慢してるように見えない~。部室で気を失うくらいに僕を抱き潰した兄貴が、あれ以来手を出さないのは違和感しかないからね!」 「シーッ、声がデカい……」  顔面キャッチされたままだったからこそ、大きな声でアピールしたというのに、僕の気持ちは伝わらないらしい。切なすぎる! 「だったらこの手を外してよ。声のボリューム落とすからさ」  言い終えた瞬間に兄貴のてのひらにチュッとしたら、その衝撃に驚いたのか慌てて外した。キスされた大きな手を胸元に当てて、微妙な表情を見せた兄貴。瞳が忙しなく右往左往している。 「辰之、心臓に悪いことやめてくれ」 「ドキドキしてくれたんだ?」 「そういうことされ慣れてないし、どうしていいかわからなくなる」 (真面目な兄貴らしい返事だな。もっと困らせたいかも) 「兄貴が僕を焦らすから、こういうコミュニケーションしかとれないんだよ」  赤く染った兄貴の耳朶をやんわり口に含み、舌先でぺろぺろしてあげた。 「うっ! やめろって」  口ではそう言ったくせに、両目をキツくつぶって、されるがままでいてくれる兄貴がすっごく可愛い。ついでに耳裏にも舌を這わせてみた。 「くうっ!」 「兄貴、声とち〇ぽが大きくなってる」  クスクス笑いながら指摘した途端に、ブレザーの裾で前を押さえる。まぁ僕のも同じような状態だけどね。 「うるさいな、おまえ本当にエロすぎる」 「エロいよ、兄貴限定で。だからさ、このままヌキに行かない?」 「行かない。そんなに時間ないだろ」 「大丈夫だよ。兄貴の長くて硬いち〇ぽと僕のを一緒に擦り合わせれば、それなりに時短になるって。濡れぬれの先端を合わせて、上下に扱きなが――」 バコンっ! 「耳元で卑猥なこと言うなよ! 頭がおかしくなる」

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