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高校生活2日目。
が、一人、自分の席に座り項垂れていた。
(……忘れてた。俺、コミュ障だったんだ)
思い至るに今朝のこと。さぁて! イケメン達と仲良くなるぞー!と、意気込んで教室に入ったはいいが、イケメン達に挨拶をしようとしてそのまま固まってしまった。
自分から話し掛けるなんて恥ずかしくって出来ない! かと言って、話し掛けてくれる生徒なんて居るはずもなく。まだ誰とも一言の会話をしていないまま2日目を終えようとしていた。
さすがにやばい。せっかくイケメン達の学校に来たのに。イケメンと仲良くできないなんて……!!
重大な悩みに頭を抱えていたが、その時、ポンと誰かに肩を叩かれた。
「俺、間宮要 (まみや かなめ) っていうんだ。よろしくね」
日の光に浴びて金色に輝く眩しい髪に負けないくらい眩しい笑顔のイケメン様がそこにいた。暫し我を忘れて見惚れてしまう。
まじまじと間宮を見つめる咲舞であったが、元々の目付きの悪さに間宮を睨んでいるように見え、喧嘩でも起きるんじゃないだろうかと周りは固唾を呑んで見守っている。
「あっ…。か、上野咲舞。よ、よろしく?」
ようやく我に返り、口を開くことが出来たが緊張のあまり声が上擦った。しまった、と気恥ずかしさにイケメンから視線を逸らす。
意外にも初々しい咲舞の反応に、周りも含め間宮は意表を突かれたが、すぐにタレ目がちな目を柔らかく細め微笑む。
「ふふっ。もっと話し掛けにくいタイプかなって思ってたけど、そうでもないみたいだね」
「う、うん?」
「エマって呼んでいい? 俺のことは好きに呼んでいいから」
「あ…分かった」
さすがイケメンはコミュ力高い。誰に対しても別け隔てなく優しく接する。
だけど何だろう、苦手なタイプだ。
眩しすぎる笑顔は一見完璧だと思ったが、完璧すぎてどこか計算のようにも感じる。
(間宮って、……ビッチっぽいよなぁ)
なんとなくそう思っただけだが、きっと俺の勘は当たっている。イケメンはイケメンでもビッチはお断りだ。まぁ、最初のうちだし、相手がビッチだろうが俺は快く話相手ぐらいにはなってやるさ。
べ、別にやっとクラスメートと話せて良かったなんて思ってないんだからね!
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