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シャツの下から、鍛え上げられた腹筋に手を這わす。身体はこんなにも鍛えられているのに、すべすべと触り心地がいい。手は自由に智久さんの肌を撫でて堪能しながら、首筋に顔を埋めて匂いを嗅ぐ。智久さんの香り、香水なんてつけていないけど大人の男性の匂いがする。舌を出して舐めると、智久さんの身体が小さく身じろいだ。 「んっ…や…」 「…ふ、うそつき。はやくこうして欲しかったくせに」 俺知ってるよ。智久さんの部屋来た時から、ずっと俺の事熱っぽい目でみてたもん。 「違っ…そんな、こと」 「違うの? じゃあ、テーブルの上片付けて、シャワー浴びてからにする?」 チラリと、テーブルの上の食べ終えた食器に目をやる。片付けなきゃいけないのは分かってるけど、智久さん、それどころじゃなさそう。俺は知っててわざとそう言うと、智久さんは眉間に皺を寄せて、「う、うぅ…」と唸り片目からポロリと涙を溢した。 全く、普段はかっこいいのに、スイッチが変わったみたいに急に甘えたになるんだから。どこの世界に、数日前まで中坊だったガキに泣かされる大人がいるんだろう。ま、そんなところが好きなんだけど。 「からかってみただけ。だから泣かないで。智久さん」 溢れた涙を舌先で取ってやる。塩っぽい味がした。 そのまま宥めるようにキスをし、路上でしたキスとは違った深くていやらしいやつに変えていく。舌を差し込んで、歯列をなぞり口内を味わう。どちらとも分からない唾液が、智久さんの顎を伝った。 十分に堪能し、唇を離すとキスだけで智久さんは蕩けきっていて……智久さんの肩を掴むと、倒れ込むようにソファに押し倒した。 「…っ! 咲、舞?」 「エロすぎんだよ、あんたの顔。我慢出来なくなった」 「えっ……んっ!」 シャツを捲り上げて、胸の尖りに吸い付く。その瞬間、びくっと智久さんの身体が跳ねた。元々感じやすい体質みたいだけど、乳首まで感じるみたい。舌先で転がせながら、反対の方も摘んだり引っ掻いたりして弄ってやると智久さんは口から甘ったるい声が洩れた。 「あんっ…や、あっ…んっん…」 「ちゅっ…かわいいよ、智久さんの乳首…」 乳首だけを弄ること数十分。俺の唾液で濡れ濡れの乳首はぷっくり赤く腫れていやらしい。俺のねちっこい愛撫にそろそろ痺れを切らしてきたのか、智久さんは足を内股にしてもじもじとしているし、ジーンズの前の部分が既に膨らんでいて窮屈そうだ。膝で刺激すると、びくっと大袈裟に反応した。 「あっ! …も、もう…いい!んっ、いいから…!」 「ひゃにが?」 「っあ…喋、ちゃ…! ち、乳首、ばっかり……うっ、やぁ…違、とこも、触って…」 「ちゃんと言ってくれよ? それじゃ分かんない」 智久さんは俺を睨むが、そんな潤んで赤くなった目で睨まれても迫力はない。逆に嗜虐心を煽るだけ。余裕たっぷりの俺は小首を傾げてじっと見つめる。いつも通り、折れたのは智久さんの方。 「ぅ…お、れの、お…おちんぽ…触って、え…咲舞の口で、気持ち良くして…!」 おちんぽだって、そんな子供みたいな言葉使って。……ほんと、いやらしい人。 「…仕方無いなぁ」 ずるりと下着ごとジーンズを脱がすと、智久さんのモノが勢いよく出てきた。とろとろと先端から蜜が溢れ、すでに濡れていた。横髪を耳にかけて顔を寄せ、二、三回扱いてからそれを口に含んだ。 「くっ、あっあ、ヒッ、んんうっ!」 「じゅぷっ…ふっ、んん、ちゅぷ、はっ…ん」 垂れてくる蜜を啜り、竿に舌を絡める。卑猥な音を響かせながらしゃぶり続け、口内でビクビクと動く智久さんのモノが、限界が近いのだと分かる。頭を揺らし、追い討ちをかけるように吸ったり舐めたりを激しく繰り返す。 「あひっ、だめ、あっあっあっい、イく…! おれ、イッちゃうっっ!」 「んっ!、ん…んくっ……」 びゅくっ、びゅぅ…! 智久さんが喉を逸らしながらイッたのと同時に、熱い液体が俺の口の中に広がった。ドロリとした粘着質のそれは青臭い。口に含んでいたものを離す。 「…はぁ…は、ん!? んんーー!」 ガッと智久さんの顔を両手で押さえ込み、強引に唇を重ねる。舌でこじ開けるように、口を開けさせると智久さんが出したものを流し込んだ。智久さんは目を見開いて嫌がったが、押さえ込んでいるため抵抗ができない。観念して飲み込むしかなく、きちんと嚥下したのを確認してから、ようやく唇を離してあげた。 「自分で出したものだよ。美味しい?」 「 …はー…はぁ…うぐ…まずい」 「えー? 俺は智久さんのだから美味しいとおもうけど。よいしょ、と」 片足を掴み、足を広げさせる。口に一回指をいれ俺の唾液と智久さんの精液で指を濡らす。すでに濡れそぼっている孔に撫で付け、予告なしに三本の指を突き入れた。 「ーーひっ、あ゛ああああ!!」 「もうぐちゃぐちゃじゃん。俺の指三本も銜えこんでんだよ。分かる?」 ぐちぐちと中を解しながら声を掛けるが、嬌声しか返ってこない。だらしなく口をあけて、涎を垂らす姿にずくりと自分のモノに熱が集まるのがわかった。そろそろ限界か。ジッパーを下げて、自分のモノを取り出した。もうこっちは準備万端である。 「あー…ゴム。まっ、いいか。これから何回もするんだし勿体無いよな。じゃ、いれるよっと…」 「ま、あ゛ッあー!」 一言声を掛けて、濡れたそこに一気に太い部分を突き挿れる。一際、高い嬌声を上げて仰け反った身体を抑えて、根元まで押し入った。ぎゅうぎゅうとキツイ締めつけに一瞬でも気を抜けば果ててしまいそうで、必死に理性を保つ。 「キツいし…あっちぃ…っ、溶けちゃいそう…」 はぁはぁと獣みたいな息を吐きながら、ゆっくりと腰を揺らす。動くたびに、柔らかい肉が俺の肉棒に絡んできて、ほんと、やばい。 「あっあっあぁっ、…ま…えまっ…!」 俺の名前を呼びながら首に抱きついてくる。 「ふぁっ、すき、すきっ…!」 そんなことを、耳元で言われた日にはもう…! 「…あー。くそ、可愛いすぎだっつーの…!」 俺のほっそい理性はぷっつん。 智久さんの細い腰を掴むと、ガツガツと一心不乱に突き入れ、己の欲望のまま勢いよく奥へとぶち撒けた。 しかし、若い俺はそれだけ収まりがつかなくって。 恋人たちの夜はまだまだ長いのであった。

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