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「お腹空いた……」 ぐううと鳴る腹の音は、六時間目に突入してから終始鳴りっぱなしだ。それもそのはず、俺の優雅なランチタイムは喧しい放送と間宮によって妨害されたからな。 あーあ…メロンパン一口しか食べられなかった……俺のメロンパン……。 「うぐ……あと、一分……」 あと一分で、この空腹から解放される。近くのコンビニでメロンパン買って帰ろう。そんでもって罪滅ぼしに間宮から貰った200円でファ○チキ買おう! あっ、考えたら余計に腹が……! 「……29…28…27…」 壁に掛けてある時計を睨む。秒針が一秒ずつ刻み、それに合わせてカウントをする。もう少しだ、もう少しの辛抱! 「…5…4…3、2、……いーーーちっ!!」 「か、上野!?」 キーンコーンカーンコーン 俺が叫んだのと同時にチャイムが鳴った。ああ、ようやく解放された。これでメロンパンとファ○チキが……! よし、急ごう。 「上野咲舞はいるかーー!!」 急いで教室から出て行こうとしたとき、突然扉が開きオッサン顔の連中が現れた。しかも俺の名前を呼んでいる。 「なに、何の用? 俺急いでんだけど」 オッサン達が扉の所で立ち止まっているため、出て行くことが出来ない。退いてくんないかな、お腹空き過ぎてイライラしてんだけど。 「俺たちは鳳生徒会長の親衛隊だ! ほら、見てみろこの腕章を。これは鳳生徒会長に認められた者だけが着けることの出来る……」 「そういうのいいから」 「ぬ。お前、昼休み生徒会室に呼ばれていただろう。なぜ来なかった」 「チッ…しつけぇな。まだ言ってんのかよ」 反省文くらいでしつこすぎやしない? もういい加減諦めろよ。 「お前に拒否権はない。無理にでも連れて行く。力尽くでな!」 ヌッ、と太い腕が伸び俺を掴もうとする──が、俺は腕を掴みそのまま捻り上げた。 「あががががが!!う、腕が!!」 「俺、今ね超絶機嫌悪いの。何でか分かる? ──腹減ってからだよ!!」 足を払い、空中に浮いた身体を後ろからガシッとホールドする。それから、掴んだまま全身を後ろに反らせて 「あっ…嘘!? 待っーー」 「問答無用!!」 ズドーン!! と、地鳴りのような音が学校中に響き渡った。 「フンッ。第一、俺を連行したいなら、美少年連れてこい! お前らみたいなオッサンなんぞといると若さが搾り取られるわ!」 床に頭から突っ伏した肉の塊にそう吐き捨てて、颯爽とその場を去る。くそ、手間を取らせやがって。 ──ぐううううう……! 「あっ、あぁ…やばい。変にエネルギー使ったせいで、目の前フラフラする……」

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