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第8話* Dr.T
ベティが退室し、部屋に鍵を掛けたのを確認した後で、ルディの枷を解く。
自由になった瞬間に小さく蹲った体は荒い呼吸のせいで小刻みに震え続けている。
単なる布切れに過ぎない簡素な衣服にハサミを通し、ルディから衣服を取り除く。
後は防護服を脱ぎ、マスクを外せば、──恐らく、三日三晩、私はルディを力ずくで犯す事になる。
目を伏せ一度大きく息を吸い、ゆっくりと吐き出してから防護服を脱ぎ捨てる。
鼻と口を覆う専用のマスクを取り払った瞬間に、全身の血管が広がるのを感じた。
「はぁぅ、ッ!ドクっ、らァ……!てで、らしゅ、け、て、あちゅぅ、な、ン…かっ、くりゅ、こわ、こわぁああああ──!らしゅけぇ、てえぇ、……っ」
私の存在を認知したルディが私に向かって手を伸ばす。
次の瞬間には、ルディの股を割り足を折り曲げ胸元まで押し上げてがっつりと抑え込み、既に屹立した自らを挿入する寸前だった。
不味い。
一瞬だけ我に返った意識もすぐさま混沌の中に濁り沈む。
蕩けた肉壁を割ると、侵入に歓喜する粘膜が蠢く。
大量の分泌液と共に、ずちゅりと音を立てた瞬間ヒューズが飛んだかのように暗闇に落ちた。
「あ゙ぁぁぁぁッ──ッ!なかァっああ……ッ、入、れなッで、やぁああああぁ……ッ、!」
遠くにルディの悲鳴を聞くが、最早意思とは関係なく勝手に、本能的に、そして野性的に律動を始めるのを止める術はない。
既に完全に切れてしまった理性は、時折ほんの一瞬だけ繋がるだけで、無我夢中で交尾に勤しむしかない。
真っ暗な闇の中で、鋭くなった聴覚が捉える音が呼び起こす興奮と、ルディの中を搔き乱し犯す悦だけが烈々と下半身から脳天まで一気に貫き続ける。
「っあ、ぁっひ、ぅ、っああ、ンっ、ンンン───ッ!」
「っな、も、ッあ、ンン、見え、なっ………いいいいいいいいぃ、あああああああああああ、……」
「、て、ッでぃ、──、待っ、や、らァあ、だッ、め……くりゅ、やぁ、くりゅううっ、!」
「──、もっ、もぉぉおお、ッ……む、りやっやァっ、やあああああ、もぉ、──や、らぁああ、」
「嫌ァあああ、い、や゙あ゙あ゙あ゙あ゙ああああああぁぁ、!」
「やら、やぁぁあああ───っ!死っ、じゃぁ、ひぃいいい、ア゙ァァァアッ!」
何度も、何度も、断末魔の様なルディの嬌声が耳を貫く。
その度に、長い吐精感と支配欲が満たされる恍惚感が満ち溢れる。
長く深い暗闇の中で、一心不乱に姦する。
後ろ首を狙う尖った犬歯は、ガツガツと鉄を噛む───。
「こあぁぁ、ああ゙れ゙、りゅ、あ゙あぁ、──ッ!し、じゃッあぁぁ…──、」
「っ、あ、ふ──、っふ、は、ぁっ……、っ、う、」
「──、っでぃ、ル、でぃ」
「ッ、!……ぉ、く、ぁ…ぇい、ぃ、」
漸く意識がしっかりと我が物として戻ってきた時、事の乱暴さを表わすようにシーツは乱れてずり落ち、肩で息をするルディの虚ろな目は空を見詰めるだけだった。
そんなルディに覆い被さるように意識を失っていたと気付き、体を起こそうとするが脱力感の所為で儘ならない。
酷い倦怠感と頭重感の中、張り付いた喉の痛みを耐えながら、たどたどしく低く掠れた声で名前を呼ぶと、まだ生々しい多量の体液に塗れたルディは声にならない声を上げる。
「っ、ひぁ、ぁ、ぁあぁ──、」
未だ尚、ルディの体内に埋まる肉棒を引き摺り出すと、小さく身震いした後で少量の透明な体液がルディのモノから滴り落ちた。
「……っ、」
「ぉ、く、ぁ……て、ぇ、い……、?」
「────グ、ッド……、ボー、イ、ッディ、」
「っ、ひ、っふ、ッく、ぅ……ッ、う、ぅ、」
まるで高熱に浮かされているようだ。
痛々しいルディの姿に顔を歪めるが、焦点の合わないルディの口から何度も洩れる声の意味が“ドクターテディ”、──私の名なのだと分かった瞬間、言葉を失う。
それでもいつものように“グッドボーイ”と褒めると、じわじわとルディの目に泪が溜まり溢れ出た。
思うように力が入らない躰に鞭を打って半身を起こし、ルディの横に倒す。
そのままルディを抱き込むと、徐々に嗚咽が小さくなり、ふぅふぅと普段よりも浅く荒い呼吸ながらに小さな寝息が耳に届いた。
時間感覚はもうとっくに失っている。
ベティが訪れるまで、あとどれ位掛かるだろうか。
しかし、私も限界だ──、少し、休ませて欲しい──。
今年16になると言うのに、160cmにも満たない小さな体。
知能にも遅れが見られる、可哀想なΩの男の子。
初めて腕の中にルディを抱き締めた儘、私は眠った──。
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