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不毛な恋にさようならを。
だけど……さ。
いつまでもこんなグズグズしてたら俺、ますます律さんのことを好きになっていく一方だ。
なんとかしなきゃ。
それで思いついたのが、友達の家に泊まりに行ったり、わざと帰宅する時間を遅くしたりする方法だった。
あ、でもご飯はきちんと作り置きなんてして前もって用意している。
だって母さんと翔さんは仕事で忙しいし、律さんは大切な大学受験が控えているから。
俺はまだ卒業まで時間あるし、それに――大学には行かないつもり。
翔さんにも母さんにもまだ何も話してないんだけどね。
母さんは折角新しい旦那さんができたんだ。
父さんを亡くしてから自分の幸せよりも俺を優先してくれた。
その分、幸せになって欲しい。
翔さんにしたって、義理の息子にまで大学の学費を出してもらう義理なんてない。
俺はふたりには余計なお重荷になりたくない。
自分の面倒くらい自分で見なきゃ。
俺っていう荷物がなくなれば、母さんも翔さんも……。
律さんだって、生意気なクソガキがいなくて清々するだろう。
俺は律さんから離れなきゃいけない。
そう思ったのは、最近、律さんに対する感情のコントロールができなくなってきているんだ。
高校を卒業したら、ひとり暮らしを始めよう。
なんとかお金を稼いで。
それで、不毛な恋を忘れるんだ。
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