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とてつもなく嫌な予感がしてアキラの下からなんとか逃げ出そうともがいてみだけど一回りくらい大きな身体は重くのしかかったままびくともしない。
「離せっ! 離せよ!」
「高校生のくせに火遊びしたらどうなるか、教えてやるよ」
両腕を頭上で押さえつけられたまま、アキラの顔が近づいてきて耳元に艶のある低い声が響く。息を吹き込むような色気を含んだ囁き声に背筋がぞくりと粟立った。
抵抗する間もなく耳の中に熱い舌が侵入してくる。
「ぅ、ひゃっ」
堪らず変な声を上げてしまった。頭を振って逃げようとするけれど、熱い吐息が追いかけてきて舌を差し込まれる。くちゅくちゅと濡れた音が頭の中にダイレクトに響いて卑猥な水音に羞恥心を掻き立てられる。
こんな感覚、俺は知らない。ゾワゾワして嫌なはずなのに、生き物のように潜り込んでくる舌先に翻弄され自然と鼻から抜けるような声が洩れてしまう。
「ん、ぅ……は、ぁ……や、やめっ」
「耳、弱いみたいだな」
アキラの声が微かに熱を帯びた。目尻に浮かんだ生理的な涙を指で掬い取られ顔と顔が接近し、視線が絡む。鼻腔を擽る石鹸の香りと舐めるような視線に不覚にもドキリとしてしまった。
スッと通った鼻筋や均整の取れた男らしい顔立ち。本当にモデルか芸能人なんじゃないかと思うほどスラっと長い手足に鍛えられた体付き。
幼いころから小柄で、一向に幼さが抜けきらない童顔の俺とは大違いだ。
思わず目を逸らすと、頭上でククッと低く笑う声が聞こえ同時にアキラの掌がスカートが捲り上がって剥き出しになっていた太腿に触れた。
なんとか腰を捩って逃げようとしたけど、アキラがそれを許すはずが無かった。薄いパンツの布越しに指で形をなぞる様にゆっくりと撫でられ羞恥心が更に煽られる。
「や、馬鹿っ、触んなっ!」
男に触られるなんて気持ち悪くて仕方がないはずなのに、じれったい指の動きに身体が勝手に反応を始める。もがけばもがくほど絡み付いてくる指の動きに翻弄されて腰が揺れた。
「触るな、っていう割に興奮しているな。もしかして……男にこうされるのが好きなのか?」
「ち、ちがっ、そんなわけな……ぁっ」
慌てて否定しようとしたけど、間髪いれずに根元をギュッと握り締められ息が詰まった。
こんな特異な状況に興奮したなんて、出来れば信じたくない。
信じたくない。けど――。
いつの間にか下着を掻い潜ってきた指先に強弱をつけながら緩々と扱かれ、堪えようのない甘い疼きが下半身に広がってゆく。
にちゃにちゃと濡れた音が部屋に響いて、そんなイヤラシイ音を自分が出しているかと思うと恥ずかしくて堪らない。
ふとアキラと目が合った。昼間とは全然違う、熱を孕んだ視線に絡めとられ鼓動が一気に跳ね上がる。こんなはしたない姿を見られていると思うと余計に身体の芯が熱くなるのを感じてしまう。
他の男に触られて興奮してるなんて絶対に認めたくない。
だけど、いつも以上に感じてしまっている自分も否定できない。
「や、……見るな、は……馬鹿ぁっ」
「さっきから馬鹿、馬鹿って。言ってることと反応が全然違うな」
身体は正直だな。と、腰に響く濡れた声が鼓膜を震わせ、同時に耳から首筋にと舌が絡みついてきて次から次へと快感の波が押し寄せてくる。
「本当は好きなんだろう?こうやって弄られるのが」
「ち、ちがっ好きなんかじゃ……は、んんっ」
首を振って否定するけれど、説得力なんてどこにもなくて。
どうしよう俺、こんな状況なのに感じてる。嫌なはずなのにどうして――。
こんな感覚は初めてだ。頭の中がぐちゃぐちゃで、ゆるゆると性器を扱かれるたびに腰が震えて直ぐに達してしまいそうになる。
俺の限界が近いことを悟ったのか先走りで濡れた手が煽るように扱くスピードを上げていく。
「く、や……だめ、ぁ、ぁあっ!」
人にイかされるなんて嫌なのに、嫌なはずなのに――っ。
「ほら、イけよ」
濡れ切った熱い吐息が耳に吹き込まれ、尖った舌が耳穴に侵入してくる。同時に、鈴口に爪を立てられて一瞬頭の中が真っ白になった。
こんな、いっぺんに色々されたら俺――っ
目の前がチカチカするほどの甘い快感と共に、俺は堪えきれずにアキラの手の内に吐き出してしまった。
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