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第三章・2話

 寄ったのは、高層マンション。  しかも、最上階だった。  そこでのキスもやはり優しく、稀一からの愛情に蒼生は浸った。  品のいい、和やかなキス。  しかし、ベッドの上で稀一はどんどんその内面を晒していった。 「蒼生は初めて、じゃないよね」 「は、はい」 「じゃあ、できるよな。まずは、俺を愛して」  ヘッドボードにもたれた稀一は、着衣のままそのペニスだけを掴みだして見せた。  初めてじゃないけど。  確かに、初めてじゃないけど、フェラはやったことない。  どきどきしながら蒼生は、稀一のものを手にした。  手で静かに摺り、愛撫を始めた。 「くすぐったいなぁ」 「ご、ごめんなさい」 「もういいから、口でやってよ」 「はい」  太くて長い、筋の走った稀一のペニスを、蒼生は思い切って舐めた。  何度も何度も舐め、唾液が枯れるまで舐めた。  もういいかな? と伺うように稀一の顔を見ると、実に可笑しそうな表情をしている。 「面白いね、蒼生のフェラ。咥えないで舐めまわすだけ、なんて犬みたいだ」  犬、と言われていい気分はしない。  蒼生はそこで、稀一を咥えた。  咥えたまま、また舌を使う。  抜き差しするものだ、なんてこの時の蒼生には解らなかった。

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