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第三章・17話
ベッドの上では、稀一も素肌を晒した。
二人で抱き合い、肌を擦り合わせた。
「蒼生、とても温かいな」
「これが人肌だよ。稀一さん」
とても素敵だ、と稀一ははしゃぐ子どものように蒼生の後ろに手を回した。
悪戯っ子のように、指を忍ばせた。
「熱い……」
蒼生の後膣は、稀一の指を飲み込んだ。
その熱い体温を、伝えて来た。
「指、初めて入れてくれたね」
「とても新鮮だよ」
ローションを絡め、指の本数を増やしてゆく。
その都度、蒼生の表情や声色が変化していく。
「これは……、興奮する」
前戯の悦びを、稀一は初めて味わっていた。
「あっ、あッ、稀一、さん。稀一さん……ッ!」
稀一はひたすら、獣のように腰を穿っていた。
技巧も凝らさず、ストレートに愛を伝えていた。
「蒼生、痛くないか?」
それでも、相手を気遣う余裕だけは保った。
大事な大事な、俺の蒼生。
傷でもつけたら、大変だ。
「う、ううんッ。大丈、夫。あ、あぁ、もうダメぇえ!」
勃ちあがった蒼生から精が飛び、稀一の腹にかかった。
以前なら、阻喪として叱っていたところだ。
「元気いいな。ここまで飛んだよ」
「も、……意地悪……ッ!」
「俺も出すよ。覚悟はいい?」
「稀一さんの、いっぱい内に出してぇえ!」
蒼生の言葉が、脳天を貫いた。
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