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第四章・29話
「じゃあ、抜くぞ」
雄翔が都からペニスを抜くと、体内に収まりきれなかった精がごぷりと出てきた。
「ぅんッ」
ぴくん、と跳ねた都は、まだ息が荒い。
その傍に、雄翔は横たわった。
「都、俺すごく感じた。熱くなった」
「僕も。不感症なんてどこ? っていうくらい、燃えた」
二人で抱き合い、肌を擦り付け合った。
舌と舌を絡めあい、深いキスをした。
「このまま、ずっとこうしていたいな」
「そうはいかないよ。僕、晩ご飯作らなきゃならないんだもん」
「一気に現実に引き戻して来るなぁ」
「ふふふ。ごめん」
シャワーを二人で浴び、部屋を出た。
夢のような、出来事だった。
夜、自宅で都は呆然としていた。
「雄翔と……、エッチしちゃった……」
これ以上深入りするとマズいよね、なんて思ってたはずなのに!
「まさか、ホテルに誘ってOKしてくるなんて!」
違う。
「まさか、童貞捧げてくれるだなんて!」
違う。
「僕のこと、淫乱だって呆れると思ったのに!」
違う。
全部、自業自得。
全部、僕のせい。
「僕、ホントのホントに雄翔のこと好きになっちゃった……!」
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