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時間の浪費?
「それで、占い、す……」
「君は……」
男が会話らしいことを口にし始めた。よっし、この調子だと、アスカは思う。言い終わる前に言葉を被せられたのは面白くなかったが、このまま世間話に持ち込められたのなら御の字だ。アスカは腕時計をちらりと見て、時間を確かめた。残り十分、うまく行きそうだと、フードの奥でにんまりする。
とはいえ、心地いい声の響きに唸りそうではあった。微かな掠れは笑いのせいだ。男の目元が柔和な煌めきに細められたのを見逃したりしない。アスカはどうにか気持ちを抑えたが、マントの下の体は野放図だ。アソコにずんと来て、瞬間、ぴくッとした。男の声は、全くもってマジにヤバい。
「他に……」
言葉を切って勿体付けて話すのは頂けないが、時間の浪費は歓迎したい。アスカはうんうんと一人で頷き、話の続きが語られるのを気分よく待った。
「言葉を知らないのか?」
「はっ……い?」
何を言われたのか、すぐには理解出来なかった。
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