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落ちこぼれ?

 アスカのように人間外種に登録変更を許された特殊能力者は、人間であってもモンスターの権利で生きられるという歪な状況にある。極々少数でも関係ない。仕える者達には目障りでしかないのだ。妬みもあるのだろう。人間外種に登録変更したからといって、肉体的には同じ人間だ。能力者をモンスターとして崇められはしない。  アスカにしても崇めてもらおうとは思っていない。静かに暮らしたいだけだが、彼らは自分勝手にアスカを疎んずる。そう言えばと、アスカは思った。能力を明らかにする検査でも同じように扱われた。検査員達の馬鹿にした目付きは仕える者達とどっこいどっこいだった。  検査はぎりぎりで通った。能力の活用についての質問に、人間相手に占いをすると答えたからだ。『霊媒』を本物と認めても、占いしか出来ない落ちこぼれと言われたことになる。どいつもこいつも殴り倒したい奴らだが、構われないことで、ここでの暮らしは平穏なものにはなった。

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