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出来ない芸当?

 〝モンスターの承認を得た能力者〟という言い方は奇妙なものだ。モンスター居住区はモンスターの町だが、『人間外種登録変更制度』を利用した能力者も、法的にはモンスターになる。疎ましさの理由がそこはかとなく匂う表現と言えそうだ。詐欺師紛いの不徳な人間との識別を明確にするよう、能力者に詰め寄ったというのも頷ける。  元が人間の人狼が言い出したと聞くが、その後、組織化し、『人間外種対策警備』を作り上げたのだから確かな話だ。代表は当然人狼のアルファだ。能力者達の就職先にもなっている。  能力者も生きて行かなくてはならない。モンスター居住区に移るのは簡単だが、能力の活用となると難しいものがあった。税制優遇も収入があってこそだ。『人間外種対策警備』が出来たことで、収入も安定した。  代表の男は仲間の人狼と能力者を取りまとめ、アルファらしくうまく率いている。ヴァンパイアにはまず出来ない芸当だろう。アスカはそう思っていた。

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