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反論出来ない?
モンスター居住区に暮らす仲間の能力者は、誰一人として時代の変化以前に何があったのかを知らない。『人間外種対策警備』に所属させて仲間扱いしようが、詰まるところ、彼らを人間と思う人狼が話すはずもなかった。
モンスターから見れば、人間は肉体的にも精神的にも脆弱だ。恐るるに足らずといったところだが、ただ一点、精霊達の声が聞こえる『霊媒』に対しては違った。モンスター討伐の鍵となる能力者を、モンスター達は心底恐れていたそうだ。
その頃に生まれていたのなら、アスカの立場は微妙どころか、下にも置かない待遇だっただろう。法のもと、モンスターを人間外種と言い換えた現代では、精霊達の噂をネタに、人間相手に占いしか出来ない落ちこぼれと思われるくらいにお粗末だ。
アスカにはこの世に彷徨う死者の姿が見える。その能力は本物と認められた。晴れて『霊媒』の肩書がもらえたが、それだけでは今の世の中、用なしと言われても反論出来ない。
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