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簡潔に促す?

「で?」  ヤヘヱも精霊だ。精霊をどう扱えばいいのかは、アスカにはわかっている。精霊達は気紛れに黙ることはあっても、本音では喋りたくて仕方がない。余計なことを挟みでもすれば、話題がそちらへと流れ、気付けば聞きたくもない話を延々と聞かされることになる。  精霊達の声を聞くことは、『霊媒』の中でも特別な能力を持って生まれたアスカの宿命だった。宿命というと崇高さを感じさせるが、彼らが聞かせる話は、人間のくだらない噂が殆どだ。占い師になるよう助言したのも、鬱陶しさにそっぽを向くことが多くなったアスカの気を引こうとしたからだった。 〝これで心置きなく楽しめるぅぅ〟  モンスター居住区に移ったことで、彼らは日々ルンルンに過ごしている。心置きなく喋られては仕事にならないが、金銭に興味のない聖霊に理解出来ることではなかった。横道に逸れないようさらりと流し、簡潔に促す。それに尽きる。そこはヤヘヱも同じと、アスカは思った。

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