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意気消沈?
焦ってみても、アソコはどうしようもない。アスカの人生はいとも簡単に終わりを迎えた。『色情により死す』と刻まれた墓石を背負うしかない。アスカは生贄のような気分で覚悟を決めたが、皮肉なことに、その窮地を男に救われた。
「説明はあとだ」
「説明?」
それにアスカはすがった。
「説明!最高!」
男が声を出さずに笑った。ハイネックの生地を通しても伝わる唇の震えでわかる。そのまま無防備で柔らかな肌を求めるように、ひんやりした感覚が首筋を上る。男の唇にぬくもりはない。それでも肌に触れる冷たさには艶やかな火照りが感じられた。
「説明……は?」
アスカは喘ぐように聞いた。
「君を私の糧にする」
男の声に笑いはなかった。クソマジにヤバい響きを苛立たしげに掠れさせ、続けて行く。
「あやつに手出しさせぬ為」
抵抗する間もなく、冷たい刺激が肌を刺す。アスカは歓喜に酔い痴れた。奇妙なことに、アソコは意気消沈したようにおとなしくなっていた。
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