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弱々しい女?

「すげぇ」  思わず声が漏れた。アソコも同意するようにドクンと脈打ち、息を吹き返す。アソコにすれば警告したと言いたいようだ。このままでは夢精してしまう。アスカは夢に浸るのをやめ、現実へと立ち戻ることにして、ゆっくりと瞼を開いた。ふわふわして、ぬくぬくした感覚はそのままだった。心地いい鼓動も聞こえて来る。 「夢じゃねぇの?」  視界がはっきりし、銀白色を帯びた錫色の瞳と向き合い、アスカは驚く。有り得ない。ヴァンパイアの腕の中があたたかいはずがない。耳に心地いい鼓動となると、なおもって有り得なかった。 「なんで……?」  問い掛けようとしたが、夢を見させた現実を前に、疑問も吹き飛ぶ。 「てめぇ!」  アスカは弱々しい女のように、男の両腕に抱きかかえられていたのだ。その腕の中でしたことを思うと、『色情により死す』と刻まれた墓石に押し潰されても本望だった。しかし、アスカは墓石を振り払った。生きると決め、暴れたのだった。

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