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小雀ども?

〝アスカ、来るぅぅ〟 〝早く、早くぅぅ〟  最初、耳が捉えた声は心細げだったが、アスカが返事をしたあとは、ふざけ騒ぐように弾んでいる。生きのいいネタ欲しさに、びくびくもので人間の持ち物にくっ付いて来たのだろうに、かわい子ぶった喋りでルンルンにはしゃがれては、アスカも〝アホがっ〟としか答えようがない。 「おいおい、〝ヌシ、怖い〟じゃねえのかよ」 〝ウフフクフフ〟  その耳慣れた笑いに、アスカは顔を顰めた。精霊達がいることは、声を捉えた瞬間に理解した。目の前を歩く男もそうだ。彼らの声を聞き、普段は近付こうとしないヴァンパイアの巣窟に入り込んだ理由を思っている。無表情で何も悟らせないが、占いの小部屋でのことを考えれば自然と見えて来る。  男は聖霊達を〝小雀ども〟と呼び、〝またぞろ悪い虫が騒ぎ出したか〟と声を掛けていた。おかしそうにしていたが、口調の鋭さからして、内心では怒り心頭だったのが、アスカにはわかっていた。

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