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瑞々しい輝き?

 十代半ばに見える少年の体付きは細くたおやかで、艶やかな黒髪は粗野な雰囲気に少し長めにしているが、美しい顔立ちがそれさえ上品に映している。その少年がヌシというのはわかり切ったことだ。アスカは見た目で上級生面してみようかとも思ったが、オレンジベージュのタートルネックにスモーキーグリーンのキャロットパンツ、素足履きしたスニーカーという洒落ぶりに、普段着のよれよれスウェットならまだしも、ロングドレスにマントでは惨め過ぎると諦めた。 〝あやつは厄介……〟  男のクソマジにヤバい響きを、アスカは思う。 〝見目麗しい少年と侮るは間違い〟  男が話していたように、ヌシは稀に見る美少年だった。内心の激昂を大人びた無表情さで隠したりもしない。拗ねた子供のような愛らしさで表現する。美しさにも長く生きる時間の強張りがない。少年の瑞々しい輝きだけがある。男二人がガキと呼ぶのは当然だった。そこに本物の恐怖があるとは誰も思わない。

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