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御託?

「だからね」  ヌシはアスカが理解しないことに苛立った。拗ねるような物言いが、それをアスカにわからせる。 「チヲカテトスルモノに変わる時って、すっごく痛いんだよ、我慢出来なくて、他の感情を入れちゃう奴もいてさ、そうなるとホント最悪、チヲカテトスルモノの祖にはピュアな感情じゃなきゃダメなのに、全然ピュアじゃないってことだもん、そんなの、誰だって、うへってなるでしょ、祖だって口直しが欲しくなる、だから魂をもらっちゃう、死んじゃうってことだけどね」 「もらっちゃう?」  アスカはそこに怪しさを思い、聞き返していた。モンスターになり損ねた魂はどこへ行くのだろう。チヲカテトスルモノの祖がもらったというが、その化身のようなヌシがかかえ込んでいるようにも見えない。 「……それって」  アスカは疑うように呟いた。 「まさか……」  そこで突然、クソマジにヤバい響きに意識が満たされ、アスカの疑問も言葉にならない。 〝御託はもうよい〟

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