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逞しい色気?

「はっ?」  アスカは面食らった。遠回しな表現であったのなら、頭脳戦と割り切って幾らでも言い返せたが、〝絶対に渡さない〟と、こうまではっきり言われては感情的になりそうで言葉が続かない。どちらにも引く気がなければ聖霊達好みの修羅場へと迷い込むことになる。それではアスカも二の足を踏む。  男にも言われたことだが、ヌシを侮ってはならない。厄介というのもわかっている。男を玩具扱いして〝僕のもの〟と愚図られても、子供じみた我がままと流しはしないが、男を取られまいと癇癪を起こしたのは確かに思えた。玩具どころか相当のぼせているのかもしれない。 「それで俺に昔を?」  アスカはふと浮かんだことを胸のうちで呟いた。 「けど、こいつ、ぴんしゃんしてっぞ」  血の系譜と呼ばれる記憶が―――変異の経緯が元は人間であったモンスターを塵にするというが、男のどこを眺めても塵になる気配がない。逞しい色気たっぷりにアスカの前に立ち続けている。

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