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通じ合えた?

「しょうがねぇなぁ」  アスカは出たとこ勝負と心に決めて、胸のうちで呟いた。 「どうとでもなれだ」  目くるめく愛欲の炎が目の前にぶら下がっている。これ程に美味しいものを諦めるのは惜しい。がむしゃらに修羅場るしかないのだろう。相手が誰だろうと、タイマン勝負で行く。昔の女だろうとヌシだろうと、後ろめたさを感じた〝フジタクミ〟だろうと、相手にとって不足はない。互いに男を徹底的に振り回し、勝っても負けても恨みっこなしにするのだ。それが修羅場の神髄と、アスカには思えた。 「おいっ」  アスカは威勢よく男の肩越しにヌシへと声を掛けた。裏切り者のアソコともやっと通じ合えたようで気持ちが弾む。男を〝僕のもの〟と言えるような、こまっしゃくれたヌシにも耳を貸せる。 「あんた、こいつのことで俺を呼んだんじゃねぇだろ」  アスカは目くるめく愛欲の炎を思って話を進めた。 「そんなん、俺も聞かねぇ、けど、頼み事ってもんなら、聞いてやるぜ」

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