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僕に優しく?

「だって、お兄さん、ヤバ過ぎるもん」  ヌシはアスカにもわかっていることだと、呆れるように話して行く。 「〝特別〟なモンスターなんて、ホントいらない」 「けど……」  そう言い掛けたアスカの声が苛立たしげに掠れた。 「俺を連れて来させたのは、あんただぞ」  魔女らしく神秘的にフードで顔を隠すのをヌシに笑われたのが引っ掛かっている。夢を壊されたくないという人間の思いに沿っただけのことを、男が何百年も引きずる昔の女と比較され、馬鹿にされたのだ。それがアスカには邪魔者扱いされる以上に面白くなかった。 「あんたが頭を下げるのが筋ってもんじゃねぇのか、俺にしたらクソの役にも立たねぇようにされて、今更何をって話だぞ」  アスカは顎の先で男を指しながら言った。 「けど、出来ねぇ、で、こいつを使って丸め込もうとした、だろ?」 「うん」  ヌシはあっけらかんと頷き、楽しげに答えている。 「キイがいたら、お兄さん、僕に優しくしてくれるでしょ」

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