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考え込む男?
怖いというのなら、聖霊達もアスカに内緒で来たりはしない。男は〝造作ない〟と話していたが、その意味でもヌシに乗せられ、好奇心を満たしに来ていたのがわかる。結果、精霊達はヌシに追い払われた。
ヌシが男二人を幻惑し、退室させたことで、彼らも出て行くしかなかった。アスカは男二人の去り際に、ヌシへの不満を喚き散らす彼らに声を掛けていた。溜まり場でもあるアスカの家で帰りを待てと言い付けたのだが、そこでおとなしくしているとも思えない。言い訳を考えるのにも飽きている頃だ。そうなると噂に花を咲かせ始める。もちろん男についてだ。男の裸はマジで絵になる。彼らも知るはずのそこを中心に、アスカの留守を幸いに〝ウフフクフフ〟と大騒ぎしているに違いない。
「アホがっ」
アスカはハンサムな顔を目の前に、八つ当たりするように繰り返した。一緒に騒げない悔しさもあるが、アスカの喉元を掴んだままの状態で考え込む男に苛立ち、言ったのだ。
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