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我が紋章?

 ろくでもない噂にウキウキしたがる精霊達の思いが、アスカに理解出来たことはない。イライラするばかりで、まともに耳に入れたこともないのだが、それが今、急速に理解出来たような気がした。聖霊達のようにルンルンし、男をからかい、イライラさせる。その状況にこそ〝ウフフクフフ〟と笑い合う精霊達の深い愛と拘りがあったのだと、アスカには思えた。  聖霊達と立場が違うことはアスカにもわかっている。相手はヴァンパイアだ。からかうことには危険が伴う。命懸けというのを忘れてはならない。引き際を知るのが大切だが、愛は全てを負かすものだ。ハンサムな顔を見詰めるアスカの瞳も自ずと期待に煌めいた。銀白色を帯びた錫色の瞳とも見事に絡み合ったが、男に昔の女を求めてという雰囲気はない。ただ優しげに鬼のようだった形相を綻ばせている。 「君が幻惑されぬとて」  クソマジにヤバい響きにも魅惑的な甘さを漂わせて話して行く。 「我が紋章には逆らえぬ」

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