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今年も?

 フジの口調がしっかりしたからといって事務的にならないことに、アスカは男に甘えるといった部分でのフジの様子を見た気がする。フジの口調は仲のいい先輩と語らうように快活だった。男の態度も守護を信念とする者らしく落ち着いていた。びくつくと幼くなる恋人への優しさとも言えるが、つまらない付き合いから来る倦怠感とも取れる。それでも男が確認しようと聞き返した声の響きに、態度にはない厳しさがアスカには感じられた。 「人外税局が?」  〝人外税局〟が人間外種税務局の略称というのはアスカも知っている。時代の変化後に設置されたモンスター専門の税務担当局で、アスカの占いの開業申請や別荘取得の手続きも、そこでしている。その担当局による〝特別調査〟はアスカには初耳だが、男を本気で怒らせたというだけで、恐ろしものなのはわかった。 「……今年もか?」  男は無意識にしたのだろう。アスカに向けていた手を下げ、拳にしながら重く続けていた。

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