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もふもふ姿?

 フジとヤヘヱは仲良しだ。フジの玩具のような腕時計にまつわり付くヤヘヱののほほんとした煌めきが、それをアスカにわからせる。アスカにすれば、フジの馬鹿正直な擁護もヤヘヱの辛辣な返しも大した違いはない。どちらもナギラのむさ苦しさを認めている。お調子者のヤヘヱはともかく、有能なフジにならわかりそうなことだが、仲良し相手ではそれも無理なのかもしれない。山男並みのヒゲボーボーが理想のアスカだからこそ、気付けたようにも思えた。 「てか、俺にしたらさ、むさ苦しいなんて最高だぞ」  アスカが正直に言ったせいだろう。フジは最高というのを喜んだ。ヤヘヱはむさ苦しさが支持されたのに満足した。そのまま二人で仲良く馬鹿正直な擁護と辛辣な返しをし続けている。 「うん、ナギラさんは最高だよ、代表に片膝付いて挨拶する時のもふもふ姿、たまらない」 〝うむ、相知りおうたは我らが殿が人であった頃、されどその頃より、むさ苦しさに変わりなし〟

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